“余計な手をかけられていない、自然のままの、オリジナルオーガニックコットン素材を使用”
手染メ屋オリジナルのオーガニックコットンTシャツ「吊オガT」は、オーガニックコットンの良さがあってこそ!オーガニックコットンについて、そして手染メ屋のこだわりをお伝えします。
そもそもオーガニックコットンって?
「オーガニックコットンって世間でもよく聞くけど一体何?」 って思っている方、いらっしゃいますよね。 オーガニックとは元々“有機的な”という意味ですが、そこから派生して現在はよく「有機栽培の」という表現に使われます。すなわち、農薬・化学肥料を一切使わずに有機栽培で育てられた綿花のみを原料にしたコットン素材がオーガニックコットンです。
「農薬・化学肥料を3年間以上使わずに利用した土壌(畑)で作った綿花をオーガニックコットンと呼ぶ」というのが大体どこでも使われる一般的なルールで、公的機関や民間団体がそれぞれ認定基準を定めています。
手染メ屋が使うオーガニックコットンもアメリカのテキサス州やニューメキシコ州で作られているもので、それぞれの州の認定機関からお墨付きをもらっている糸です。
合成された薬剤を使わずに栽培されるこのオーガニックコットン、昨今の環境ブームで“地球に優しい”、“ヒトに優しい”などと色々な冠がつく素材ですが、手染メ屋がオーガニックコットンに注目したのは残念ながら環境改善が目当てではありません。“有機栽培”という独特な意味合いそのものです。
通常の工業製品用コットンは、彩りよく染色できる様に、もしくはできるだけ真っ白に見える様に、漂白・脱脂(油抜き)の作業が、ワタから布に仕上がるまでの間に何回も行われます。これによって工業染色には不要な天然の臘(ろう)分やその他の不純物が除かれて行きます。
様々な工程を通ることで、不純物を削ぎ落としたセルロース純度の高い、工業染色向きのスマートなコットンが出来、綺麗な色に染められたり漂白・蛍光染料をかけられて純白な白になっていきます。
オーガニックコットンは手抜きの素材!?
方やオーガニックコットンは、通常染めて使うことがほとんどありません。“有機栽培”という冠がついていますのでできるだけ自然のありのまま製品にすることを生地メーカーもアパレルメーカーも考えます。すなわち染めずに生成のまま使うわけですから染色用のコットンのように執拗な洗い工程などしなくて良いのです。
また更に、「有機栽培で優しく育てられたんだからケミカルな薬剤は控えよう」といった心がけで工場さんが各工程に目をかけてくれることも多いようです。これは一見手をかけなくてラクができるようですが、実はその逆です。
今の工業用機械は載せる材料が均一化されていないとうまく動きません。それは糸や布を作る機械も一緒。しっかり油を抜かれたり、または逆に適度にワックスをかけられたり、きっちり漂白されたり、という工程を踏んだコットン素材の方が扱いやすいのです。
でも、そういう工程をあえて省くオーガニックコットンは機械にかけるのに少々手間がかかります。だから、この気遣いの度合いはメーカーや工場の考え方によって様々ですが、ナチュラル志向の高い作り手さんが手がける場合はかなり「腫れ物に触る」ように扱ってくれている様です。
で、オーガニックコットンを使う理由は?
この、「有機栽培」という理由でほとんど加工されない、というのがミソなんです。
先ほども言った通り、化学染料でコットンを染めるときはできるだけ純化された綺麗なコットンの方が鮮やかに染まります。一方、我らが天然染料はコットンを鮮やかに染めるのは元々不向きですが、不純物が多いコットンほど深く濃く染められる、という特徴があります。そう、オーガニックコットン素材なら各工程の業者さんが気をつけて余計な加工をしないことが多いので、天然染料には打って付けなんです!
しつこいようですが、農薬や化学肥料を使っていないから良く染まる、のではありません。
天然の不純物がたくさん入っていてそれらが天然染料と相性良く染まるから生地が良く染まるんです!
何でわざわざオリジナルのオーガニックコットンなの?
ただ、ひと口にオーガニックコットンといっても、その生地感はそれぞれだいぶ違います。それは“生地になるまでどれだけ加工されずにきたか”によります。そして、その加工具合は全て作り手のこだわりによって違います。で、世の中のオーガニックコットン素材は、思ったよりもキレイめに、すなわちいろいろ加工を踏んで作られていると思います。実際に手染メ屋はいくつか街で手に入るオーガニックコットン素材を試して染めて見ました。で、正直ピンとこなかったんです・・・。 だから糸から選んで自分で作ってしまいました(笑)。
オーガニックコットン糸
糸は“フォックス・ファイバー”というブランドのオーガニックコットン糸を使っています。これはアメリカのテキサス州やニューメキシコ州にまたがって有機栽培により作られているものです。普通の糸つくりの工程には脱脂・漂白など洗い作業があるのですが、このフォックスファイバーは糸にされる段階までほとんど余計な加工は入っていません。さすがにアメリカまで行ってその工程を見ることは出来ませんが、自主的に厳しい基準を科しており、更に日本の総代理店である大正紡績さんも目を光らせているので、まずおかしなことはされていないと思います。
吊編み機による吊天竺
編みは、今回の吊オガTから和歌山の「カネキチ工業」さんという編み工場さんにお願いしています。カネキチ工業さんは今では本当に希少な「吊編み機」でニットを作ってらっしゃる素晴らしい編み工場さんです。
吊編み機の説明は「吊編み機とカネキチ工業さんのこと」ページで!
この吊編み機による吊天竺のおかげで更にこれまでのオガT素材よりもふっくら感が増し、そして使いつづけての生地のヘタりが少なくなりました。この編み工程では糸が機械にかけるために植物油を使いますが、これは染める前の湯通しで落ちます。
そう、糸にして、編んで、それで終わりです! 「え、普通それだけなんじゃないの?」とお思いの方もいらっしゃるかとは思いますが、普通は違うんですよ。 先ず糸にする段階で幾つか洗いの工程があります。そして編んだ後も洗剤で洗いをかけて円柱状態の生地のまま熱をかけてヒートセット。ある程度生地を硬くしたら“胴切り”といって円柱状の生地をタテにずーっと切って一枚布にします。そして、そこから大きな機械で染色。そのためにまた漂白をしたりします。そして染めた後に生地の巾や形を整えたり、製品後の縮みを防ぐために樹脂液を通して、一定の巾にしてヒートセット。これで出来上がりです。
これまで素材を替えるたびにしつこく(笑)お話をして参りましたが、この様々な工程が天然染料の色目を入りにくくします。だから、できるだけ加工されていない、スッピンの生地を使いたい。その究極がこの「吊オガT」素材です!

