メールマガジン

2013年9月

皆様

いつもありがとうございます。手染メ屋の青木でございます。

記録的な猛暑がひとまず去り9月も早や旬日を過ぎました。
昨日、今日と京都はいいお天気。皆様はいかがお過ごしですか?

先週、山形から紅餅が届きました。
3月に山形県の窓口に予約注文をして、山形のお日様を浴びて
7月に摘まれた紅花の花弁を発酵させて作り、
紅花染めに使う染料として染め屋の手元に送られる紅餅。

毎年この時期にできたてほやほやの紅餅が手染メ屋にもやってきます。

スタジオジブリの「おもひでぽろぽろ」でも語られている農作物としての
紅花は、江戸の昔から山形が一大産地でした。

でも、実は100年以上も前から一大産地ではなく、「唯一の産地」に
なってしまっているんですよね、この山形の紅餅は。。・・・・

・・・・とマクラは後にして、本題のお知らせコーナーです!

今回はイベントワークショップ、工房での展示会、そして
前回に引き続きしつこくセール品、更に秋の新企画アイテム
のお知らせです!!

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◎―天然の口紅を作ってみましょう!!―◎

★伝統色のワークショップ2013 第三回
  ~山形の国産紅花による笹紅(ささべに)色
       ~古来の口紅を作ろう!~

  ●日時: 2013年9月28日(土) 13時~17時
  ●場所: 手染メ屋
  ●費用: 5,250円(染め材料など全て含む)
  ●人数: 7名(定員になり次第締め切り)

詳しくはこちら↓
https://www.tezomeya.com/etc/dentou13-03.html

さて、今回のワークショップは口紅づくりです。

合成の化粧品が出来るまでのキレイな赤の化粧品は
全て紅花だったんですよね。

現在でも老舗の紅屋さんが秘伝の方法で本紅を
作ってらっしゃいます。

で、今回も手染メ屋でその秘伝の紅を作ってみよう!
という身の程知らずなイベントです。

紅花のことは本メルマガのマクラでもお伝えしております。
長いですけど、もしお時間がおありでしたらご覧ください。
また、ワークショップの詳しい内容は以下のページでも
お知らせしております。

ご興味おありの方、是非ご参加いただければと思います!

https://www.tezomeya.com/etc/dentou13-03.html

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◎―先月からのセールアイテム、まだ少し残っております!―◎

先月から割引き販売しております以下の2点が
まだ少しだけ残っております!
もしよろしければ是非この機会にお手に取っていただければと思いますm(__)m

・綿麻メンズルーズパンツ
  定価16,170円のところ、9,800円に値引き!!
  Mサイズが現在染め前あと2枚、Lはまだあります。
https://www.tezomeya.com/item/kp04.html

・チェックショートパンツ
  定価13,440円のところ、6,900円に値引き!!
  Mは売り切れました。Sが染め前あと1枚あります。
https://www.tezomeya.com/item/kp02.html

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◎―この秋の新作、鋭意企画中ですっ!―◎

10月デビューに向けて、今年の秋物の企画進行中です。
すみません、だいぶ遅いですが。
どんなモノを作っているか、少しだけお知らせいたしますと・・・

●しっかり目の毛羽付綿ニットで立体デザインのかわカッコいいカーゴパンツ!

●同じく綿ニットで大き過ぎないおしゃまさんなパーカー!

●更についでに同じ綿ニットでぼっかりレディスハイネックアイテム!

●風合いがあり得ないすっきり感な二重フシギ系長袖カットソー!

なんだか、わかったようなわかんないような商品説明ですが・・。
できるだけ早くデビューさせます!
どうぞこの秋冬も手染メ屋アイテムにこうご期待です!!

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・・・・・・・・・・マクラの続き

昔の出羽の国、今の山形県が紅花の産地になったのは江戸時代から。
山形の盆地の気候が紅花の生育にぴったりだったことや
流通の中心地である京や大阪から離れていて人件費が安い割には
水路を使えば比較的手間をかけずに運送できたことなど、
色々な利点が重なったからのようです。

そして、紅花の染めが重宝されるのは、これはもうひとえにその
染め色の美しさにつきます。

とても天然染料とは思えないショッキングピンクな色。

一度染め色をご覧になられた方なら、そのあでやかすぎる
赤に一度はびっくりされた記憶がおありなのでは、と思います。

がしかし、明治になって海外から原色を染めることが
できる化学染料が入ってきたことで、紅花と染色手法はその
地位と市場を瞬く間に海外の染料と技術に譲ってしまい
明治後期にはもう過去の産物としてのレッテルを
貼られてしまっていたとのこと・・・。

著名な古代染色研究家の吉岡幸雄先生が独自に依頼を
されている伊賀上野の紅花農家さんを除けば、
現在国内で商業目的に紅花を栽培して紅餅を作っておられる
紅花農家さんは、山形県内のみ30軒程度とのことです。

そして、その山形県の紅花生産を県の外郭団体さんが
管理して下さり、受注を取って大事に作って下さっているのです。

この紅花染料、ご多分に漏れず、やはり、価格は高いです・・。
手数料などいろいろ込みで計算しますと、1kg当たり40,000円弱に
なってしまったりします。

なので、あまりおいそれとはたくさん買えないんですよね、
ウチみたいな弱小染め工房では^_^;

でもね、これ、実は全然高くないんですよ・・・。

山形県、すなわち国内での紅花の現在の総生産量は100kg程度。
この生産量に先ほどの価格をかけてみると、紅花の総流通金額が
400万円弱。

これで30軒の農家の収入をまかなえるのか?

もちろん無理です。
ご想像の通りですが、紅花専業農家さんはいらっしゃいません。

皆さん、他にもいろいろ作っておられて、どちらかと言うと他のものが
主体の仕事。紅花は儲けのないボランティア的な作物になっていることが
多いようなのです。

自分の持っている「江戸時代館」という書物や江戸時代の紅花に関する
資料をいろいろ調べてみて、ものすごくざっくりと江戸時代の紅花の
価値を計算してみました。
当時は出羽の国あたりで年間10トン以上の紅花が生産され、今の
貨幣価値でいうと1kgあたり大体3万円程度だったようです。

この結果を鑑みるに、現代は生産量が100分の1程度なのに、
紅花の市場価値がほとんど変わっていない・・。
安いんですよ。ものすごく安いんです。。

今の価格である1kg4万円弱っていうのは、中国産の紅花の約
15~20倍近い価格です。それでも割が合わない。。

中国の紅花に比べると、山形産の紅餅はその染まり具合が全く違います。
そりゃ、もう、同量使用して染め比べすると、その差は歴然です。

ただ、20倍濃いか、というと、それは、うーん、なんです・・。

そもそも濃い薄いを倍数で話しはできませんが、染に関して言うと
同じ染料で何回も染め重ねすることで色は濃く深くなってきますので、
理論的には、山形産の紅餅1回染めの方が中国産の紅花20回もしくは20倍量
の染めより濃く深い色であればよいのですが、残念ながらそうでは無いです。

もちろん20回の染め回数や20倍もの大量の染料を扱うための手間が
省ける、と言うのはありますけど、これはなかなか数値化して評価できないです。

すなわち、紅花染めに関して言うと、絶対に国産の紅花でなければいけない、
と言うわけではいのですよね。。

ですが、これが、紅花から口紅を作る、と言うことになると話が違ってきます。
ややこしい説明は省きますが、口紅を作るにはその工程上、どうしても
一度に大量の紅花を扱うことが大変難しいのです。
すなわち、中国産の安いけど薄い紅花を使うと、紅花の量を大量に使うことが
できないため、ほとんど紅が取れませんが、
色素がぎゅっとたくさん詰まっている山形の紅餅なら少量でも
大丈夫なので、しっかりと口紅が取れるのです。
これはもう実際に作業をやってみれば一目瞭然です。
国産紅花は、この、本紅を作るときにこそその存在意義が、ぐん、と出てくるのです。

だけど、そもそも今は紅花の口紅自体が市場性低いですよね・・・。

ということは、国産紅花って、、うーん、と言う話になってしまいそうなんですが、
出来上がりの玉虫色に光る紅を見ていると、原料になる紅餅つくりの文化を
とだえさせるのはあまりにもったいないと思うのです。

何百年もかけて、色素ができるだけたくさん入っていてしかも運びやすい形状に
なるよう考えぬかれた出羽地方特有の紅餅。これがなくなるというのはあまりに
寂しすぎるなぁ、と。

個人的にはこういった作り手のエゴ的な考え方はあまり好きではないのですが、
紅に関しては、もちろん僕は男性ですし使えませんけど、その色を見ていると
僕のエゴだけではなくその色自体に普遍性を求める何かがあるように思えるのです。。

きっちり紅が取れた時の玉虫色は本当にきれいです。
昔の女性がこぞって下唇にその色を表したのもうなずけます。
今やったらかなりアバンギャルドですけど。

ですので、こういうことに少しでも興味がおありの方には是非この口紅づくりを
体験して頂きたいな、と思うのです。

あぁ、結局宣伝になってしまっています。
長々話してきて、それかよ、ですよね。すみませんですm(__)m

でも、この玉虫な笹紅の色は本当にきれいです。
出来上がりを見に来て頂くだけでも結構です。
画像もまたサイトに貼ります。

山形の紅花が、正常な流通アイテムになることを願って、
万が一でもその一助にでもなれるように、今回も
山形産の紅餅でワークショップを致します。

https://www.tezomeya.com/etc/dentou13-03.html

・・・・・・・・・・以上、すみません、まったくの
自己中心的なお話しおよび3点のお知らせでした。

これから季節の変わり目、皆様もくれぐれもご自愛くださいます様。
秋物新作も鋭意検討中です。
この秋も変わらず手染メ屋をよろしくお願い申し上げます。

追伸その1
昨年から手染メ屋のfacebookページをはじめてます。
もしよかったら「いいね」してくださると嬉しいです。
http://www.facebook.com/tezomeya
店主も個人でやってます。最近はブログよりもこちらで
ぶつぶつ言ってます。ちょっと覗いてやって下さいm(__)m。
http://ja-jp.facebook.com/people/青木正明/100004415552857

追伸その2
時々手染メ屋お知らせメールをお送りさせていただいて
おりますが、ご迷惑でしたらこのままご返送くださいませ。
以降、当方からのメール送信はご遠慮させていただきます。

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天然色工房 手染メ屋

店主 青木正明

〒604-0983
京都市中京区麩屋町通夷川上る笹屋町456-2F

TEL&FAX 075-211-1498

https://www.tezomeya.com/

※日曜、第二・第四月曜定休です

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