メールマガジン

2011年7月

皆様

メルマガがだいぶ停滞しておりまして
大変ご無沙汰いたしております。
皆さま、覚えて下さっていますでしょうか?
京都の染め工房、手染メ屋でございますm(__)m。

しかし、暑いですねェ。
夏場の楽屋ネタ、いつもの通りでございますが
この仕事場がいかにキビシイ状況下であるか、
という小噺をひとつ。

工房にお越しくださった方ならご存知かと思いますが、
当工房では、ショップの隣に染場がございまして、
大きな寸胴鍋が常にコンロの上に鎮座しております。

昼間はこの鍋に染めアイテムを入れて火にかけて
染めているわけですが、染め作業が終わると、
ふたを閉めて一晩寝かします。

その方が色が良く染みてくれますので。もちろん
その間はガスの元栓まで締めているのですが、
鍋は余熱で温かいです。

というか、アツいです。

それでも冬などは外気温が低いせいで翌日には
すっかり冷えているんですけど、この時期は、
次の日工房に来てもまだ温かいんですよ。
そして、そのでっかい鍋が熱源となって、
翌朝の工房でも、

むん、

とした熱気がもうすでに染場を覆っているわけです。

・・・と前ふり長かったですけど、
ある朝いつもの通り工房に来て、既に熱気に満ちている
仕事場に気合を入れて威勢良く入ると、
一番大きな寸胴鍋の蓋の上になにか黒い塊が・・。

そうです。ミスターGです。ゴルゴじゃないですよ。
ゴキさまでございます。

何回かの冬を越された古参と思しき十分な体長のGが、
あおむけになって足をたたんでご臨終になっていたのです。

当方、ご多分にもれずGさんはあまり好みではないので
最初はものすごいびっくりしたのですが、Gに対する
嫌悪よりも、その異質な事件現場に興味をおぼえて
状況観察を始めました。

特にダイイングメッセージもなく(当たり前か)、
なぜそこで事切れていたのかは状況証拠から類推
するしかないのですが、この事件の真相はいかなるものか、
無い知恵を絞って考えました。

ケース・1
当方が工房を出て比較的すぐの時間帯。まだ部屋には熱気がこもり、
鍋もアツアツ。その時Gは天井を歩いていた。が、あまりの気温の
暑さに(天井の方が熱気がたまるため)頭がくらくらしてつい足を
滑らして落ちたのがたまたまこの72Lの寸胴鍋の蓋の上だった。
そしてまだまだアツアツの蓋の上でさらに体中を十分な熱のやけどで
ヤラれてしまい、逃げる力も出ず、息絶えた。

ケース・2
夜分遅くか朝早く、鍋はGが触れるくらいには冷めていたがまだまだ
アツい時間帯。Gは何かを求めてこの大きな寸胴鍋を登頂し始めた。
が、垂直に切り立ったステンレスの鍋肌を直登するのは容易ではない。
しかも冷めたとはいえまだまだ渇するところを知らぬ鍋中の染液の熱が
鍋肌からじわじわとGに伝わり、確実にGの体力は消耗していった。
それでもベテランのGはこれまで培った手練手管を使ってなんとか
72L寸胴鍋の登頂を成功。
ただ、鍋の上にたどり着いてGは初めて気づいた。そこには何もないことを。
彼の体には、下山する力はもう残っていない。体力を回復してくれる
お菓子の食べ残しもない。しかも、足元からはまだまだ熱気が・・。
Gは、そこで最後の一瞥を工房に投げ、たたずみ、そして、息絶えた。

どう考えても、この2つのどちらかです。
それしか考えられません。

で、当方としては、やはり、ケース・2であったことを祈っています。
Gだって、たぶん、突き動かされて登る何かがあるんですよ。

かの有名な登山家ジョージ・マロリーが言っていた「そこに山があるから」
と同じく、

Gにもあったんですよ。

「そこに寸胴鍋があるから」

登頂に成功したGに合掌———-

さて、今回は間近に迫った東京での催事のお知らせと久々の
ワークショップの参加者募集、そして夏休みのお知らせです!

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◎―恵比寿三越様のギャラリーでイベントします!!―◎

●催事名: 夏着~「太陽と風をまとう」
●期間: 2011年7月8日(金)~14日(木)
●場所: 恵比寿三越様1Fクロスイーギャラリー

※催事の情報はこちらをご覧ください
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/2410/ee.html#taiyo_kaze

お知らせがギリギリになってすみませんm(__)m。
いつもお世話になっている恵比寿三越さんでの
イベント催事に、今週金曜日から行きます!

いつもはエスカレーター周りですが、今回はちゃんと
ギャラリースペースを使わせていただいての参加です。

しかも、お仲間は気心の知れたガラージさんと岩切エミさん!

更に更に、今回のイベントで新作パンツアイテムが2点
デビューします。
・からむしルーズパンツ(麻素材のタイパンツ風アイテム)
・左綾ワンウォッシュ(左綾ジーンズのワンウォッシュタイプ)

この2点、まだ店にも出せていません。催事ぎりぎりなんとか
間に合ったので、全部三越さんに持っていきます。
ここで長々説明するのもなんですし、新作に関しては
こちらのページを是非是非ご覧下さい!

https://www.tezomeya.com/lineup/newitem.html

もちろんいつものTシャツなどのトップアイテム、
ボトム、そして夏に使える巻物もたくさんたくさん
持っていきます!

店主よりもしっかり的確に着用アドバイスできる
番頭が終日店頭におりますです。
是非、是非、是非、お近くの方は恵比寿三越さんに
お越しくださいませ!!

※なお、催事期間中も京都の店舗は店主が開店
しておりますが、商品が極端に少なくなっている点
何卒ご了承くださいませ。

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◎―今月の染めワークショップは緑染めです!―◎

★伝統色のワークショップ2011第三回
~葛(くず)の緑染め~

●日時: 2011年7月23日(土) 13時スタート 約4時間
●場所: 手染メ屋
●費用: 3,150円(染めアイテムは別)
●人数: 7名(定員になり次第締め切り)

詳しくはこちら↓
https://www.tezomeya.com/etc/dentou11-03.html

今回は緑染めです。
草木染めでは難しいとされる緑を1つの染料で染めるやり方です。

山崎青樹さん(最も著名な現代の草木染め研究家)が発見・改良
された手法でして、その方法をそのまま拝借いたしまして
皆さんと一緒に実践してみたいな、と。ハイ。

ですので、伝統色のワークショップと言いながら、手法に関しては
実は最近完成された染方法です。

染め方法自体はものすごく変わった方法、というわけではないんですけど
そもそも緑が1つの染料で染まること自体が実はフシギでして、
昔は緑を出すためにいろいろな工夫をしていたことなども含めて
そのあたりのお話しを交えながら楽しくわいわい染めたいと思います。
定員7名、恒例のお申込順で締め切ります。
ご興味おありの方お早めにお申込くださいね!

詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.tezomeya.com/etc/dentou11-03.html

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◎―夏休みのお知らせ―◎

今年も夏休みをいただきます。

お休み: 8月7日(日)~8月14日(日)

今年はズバリお盆にお休みを頂きます。

長々と休んでしまい申し訳ありません。
ミスターGに負けじと夏山に行ってまいりますm(__)m。

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以上、3件のご連絡でした。

暑い夏とミスターGにめげずに手染メ屋ますます頑張ります。
今後とも宜しくお願い致します!

追伸
時々手染メ屋お知らせメールをお送りさせていただいて
おりますが、ご迷惑でしたらこのままご返送くださいませ。
以降、当方からのメール送信はご遠慮させていただきます。

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天然色工房 手染メ屋

店主 青木正明

https://www.tezomeya.com/

〒604-0983
京都市中京区麩屋町通夷川上る
笹屋町456-2F
Tel&Fax 075-211-1498

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