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伝統色のワークショップ「二藍染め」報告

11月も後半、寒いですね。

晴れた割には気温が上がらなかった勤労感謝の日、
手染メ屋では第五回目の伝統色のワークショップを
開催いたしました。
真冬間近の寒空の下、定員7名ご参加頂きました。

今回は「二藍(ふたあい)」色。

ふたつの藍で染める色です。

その二つの藍とは

紅花。

そう、紅花も昔は「藍」って呼ばれてたんですよ。

ご存じない方でお時間がおありの方はこちら
「青の変遷」ってところををご覧くださいね。

ということで、今回のワークショップも
染料を二つ使うために大忙しです。

染めの順番としては、

1.藍で染めて青色にする。

2.紅花でピンク色を染めて
青+赤=紫になる。

という段取り。

なんて書くと単純なんですが、
この紅花染めに時間がかかるんです。

実際の作業は、ほとんど紅花の染料作り。

藍はその合間にちょちょっと染めて、
かるぅく青に染めておきます。

この紅花染め、火は使わないんですけど、

紅花を水洗いしたり
アルカリ水で揉みだして赤色を抽出したり
染める生地を絞って柄を作ったり
抽出した液にクエン酸を入れて中和したり
ダミーで脱脂綿を染めたり
染めた脱脂綿からまた色を抜いたり
で、また中和したり

なんて、ホントいろいろな作業が錯綜しまして
バケツの準備やら鍋の交換やら
クエン酸の計量やら
中和の確認やら
もう、ボクもしっちゃかめっちゃかでした、ハイ。

段取り悪くて皆さんすみませんでしたm(__)m。

なにせこの紅花染めってホント理科の実験みたいなんです。
高校の化学でやらないかな。すごいイイと思うんだけどな。

で、実際のワークショップの染め結果は、
お優しいご参加のみなさんの多大なるご協力のお陰を
持ちまして、本当にキレイな色に染まりました。

こんな感じ。

例のごとく、作業に夢中でワークショップ中は
全然写真撮ってませんでして、イベントが全て
終了して、ちょっと居残ってくださっていた
Sさんご夫婦とHさんの3名様の作品だけ
慌ててカメラに収めさせて頂きました。

これ見てもわかるんですけど、皆さん全然色違いますよね。
使用した染料の割合はどれも同じなんですよ。
シルクでも若干素材が違うから、というのもあるんでしょうけど
他の方たちもことごとく紫味が全く違っていました。

藍と紅花は、最も色の再現性が低い染料たち。
すなわち、同じ色目を出すのが難しい、ってことです。

そんな2つの染料を使った染め色なんだから
色が皆さん合わないのは当たり前なんですけど、
それでも本当に毎回紅花と藍は違います。

おもしろいです、この2つの染料は、ほんと。

話し足りないことがたくさんあったんですけど、
仕上がりは皆さんご満足いただけたみたいで、
平安時代の流行色である二藍を皆さんで
お楽しみいただけて本当によかったです!

皆様、今回も伝統色のワークショップにご参加頂き
本当にありがとうございました!

さて、来月は今年最後の染めワークショップ。
公開実験教室でアルコール染めを行います。
日時は12月19日13時から。
また詳しいことはサイトアップいたします。
是非是非皆さんご参加くださいませ。

店主@手染メ屋
https://www.tezomeya.com/

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