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tezomeya日記

伝統色のワークショップ 黄櫨染の報告!

先週の土曜日は今年初めての
イベントワークショップでした。

内容は伝統色のワークショップで
「松山櫨で染める黄櫨染」。

あの“黄櫨染”を、ワークショップで染めちゃおう、
というとても身の程知らずなイベントでございます。

ちなみに身の程知らずはご参加の方ではなく、
もちろんワタクシでございます。

黄櫨染、それは着物の色無地の中ではとても特別な
響きがするのではないかな、と思います。

一つは、古来天皇のみが袍の色目として使うことのできる
いわゆる「禁色(きんじき)」であったこと。

もう一つは、光源によって色がころころ変わる不思議な
色目であること。

後者の色目を新しい手法で染め上げて作品を作って
らっしゃる著名な染色家、奥田祐斎さんも
以前おっしゃっておられましたが、

この黄櫨染というのは本当に独特の色感があると、
ボクも思います。

そんな素晴しい色目をめざして、
今回も7名にご参加頂きワークショップを開きました。

まずはハゼノキのチップを煮出します。
このハゼノキのチップが手に入ったことが、今回の黄櫨染の
ワークショップの開催にこぎつけられた一番のポイントです。

このチップは、松山櫨という種類のハゼノキ。
これを供給くださったのが、福岡県の松山櫨復活委員会
矢野さんです。

一度は絶滅に瀕した松山櫨を、地元の方に働きかけて
再び地元の産業として復活させようと奮闘されている方が
矢野さんでして、櫨の使い道の一つとして染色用の
チップを準備なさってくれたんです。

櫨のチップなんて、普通に探してたら
絶対に手に入りません。
矢野さん、本当にありがとうございます。

そのありがたい櫨のチップから抽出した液に
先媒染した絹のストールたちを浸けて
火にかけて染めます。

・・・って、すみません、画像がありません。

また例のごとくしゃべりに夢中で今回も
全然写真撮ってませんでした。

イベントが終了して参加の方に
「青木さん、また写真撮らなかったですね・・・」
と指摘されてはじめて気付く始末。
次回からは番頭にとってもらいます。
撮ってくれた写真に文句つけるのも辞めます。

・・・なんてブログにアップしてたら
なんとご参加の方がご親切に画像を送ってくださいました!
これです。

この時点でかなりキレイな山吹色に染まります。
山吹色というよりも、黄金(こがね)色かな。
素晴しくキレイな色です。
もう、このままでも十分高貴です。

杉中さん、本当にありがとうございますm(__)m。

この櫨染め、染液ってそんなに色濃くないんですよ。
透明感のとても高い山吹色な染液です。

そこから、染液よりも濃度が濃いくらいの色が染まります。
こういうことがあるので、染色って面白いですよね。

そして、その後再度みょうばん媒染をして、
やはり事前に煮込んで用意しておいた蘇芳の染液に
入れて染めます。

入れて火をつけてかき混ぜていると、見る見るうちに
蘇芳の赤がはいって色は茶系に。

黄色+赤で色がくすんでオレンジではなく茶色になります。
これも画像ないですけど。

ちなみに、これは染色終了後の蘇芳の染液です。

すんません、こんなの画像で残してても
面白くもなんとも無いですね・・・。
ごめんなさいです。

ま、とにかく、そうやって色が入って
十分茶系になったところで、
また引き揚げて最後のみょうばん媒染。

そして、十分に洗いにかけて、出来上がりです。

こんな感じ!

すみません、お二人帰られてからの写真です。
先ほどお伝えしたとおり、画像撮ってないこと
皆さんのお帰り間際に気付いたので・・・。
たたんで袋に入れてカバンにしまった仕上がり品を
皆さんにお願いしてわざわざ取り出してもらって
無理矢理取らせていただいた集合写真です。

ホント段取り悪くて申し訳ありませんm(__)m。

色は、こんな感じの茶系です。
残念ながら、この短時間での染めではそれほど
演色性(光源によって色が変わる性質)が
わからなかったですけど。

でも、いい色でした。
皆さん、お疲れ様でした!

黄櫨染、こんなに簡単に染めてしまいましたが、
ちゃんと昔の染め方をしようとすると
本当は今回使った分量の20倍以上の染料を
使わないといけないんです。

いつも申しておりますが、このイベントは、常に
「なんちゃって」でございます。

ですので、皆さんに今回頑張って染めていただいた
色も、いわば「なんちゃって黄櫨染」です。

二十分の一の労力と染料分量って、
“なんちゃって”というのもはばかられるかもですね。

でも、そんな省略しまくりの作業と染料分量でも、
なんとかそれっぽい色目になる。

これ、延喜式とおりに昔通りの分量で染めをしたら
一体どんな色になるんだろう・・・。

ご参加いただいた皆様にもその辺のことを想像して
頂きながら作業と染め上がりを楽しんで頂きました。
ご参加いただいた7名様、作業お疲れ様でした。
そして、ご参加本当にありがとうございました!

・・・とこんな感じで今年も
イベントワークショップ開催します!

次回は2月27日に公開実験教室です。
内容は、意外な濃い染め方を実験してみます。
くわしくはこちらで!

本年も手染メ屋のワークショップを宜しくお願い致します!

店主@手染メ屋
https://www.tezomeya.com/

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