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tezomeya日記

超一流ってやっぱ

超一流だ。

・・・って、不毛な一文だけど、そのとおりだ。

ちょっと前の話だが、GWにキース・ジャレットのライブに行って来た。

ボクも番頭も特に際立ててキース・ジャレットにハマっている、というわけではない。
いつかのブログで書いたが、ココ最近番頭がピアノ主体のジャズを聴きだしてて、
そんならまぢもんをちゃんと聴きに行こうよ、ってことになって、
調べたら5月にたまたまキース・ジャレットがトリオで来るってんで、
急いでチケット取ったわけ。

ピアノ弾きながらうなるあの悪名高いクセだとか、悦に入ると椅子から立って弾きだしちゃうとか、
ま、そのあたりのネタ系のうわさは一応知ってはいたし(有名だし)、
CDも聴いたことはあったが、そんな、気を入れて聴いて
それで好きになって生演奏を聴きに行きたい、なんていうわけではなかった。

そうです、名前で行っただけです。すみません、熱狂的なファンの方々m(__)m。

で、更に失礼なことに、忙しさにかまけて恥ずかしながら大した予習もせず、
ほぼぶっつけ本番(って聴くだけだけど)で大阪フェスティバルホールに向かった。

で、結論から言うと、

すごかったです、はい。

3曲目のスローなブルースで早くも涙してしまいました、ワタクシ。

ナマ音なの。PA器材一切無し。録音用のマイクが立ってるだけ。

クラシックなら当然当たり前だろうし、
ジャズでもまぁあるっちゃぁよくあるのかもなんだけど、

普段ぽぴゅらぁミュージック漬けのボクらは新鮮でした。

ナマの音って、ホント、いい。空気の音。
消え入るようなピアノ線の音がちゃんと聞こえて、で、消えていく。
キース・ジャレットって、で、そういう空気感っていうのかな、そういうのを
多分とってもとっても大切にしてるんだろう、と。
彼はナマ音じゃないとやらない人なんじゃないか、と。

主には耳に、そして多分それ以外の感覚器官も総動員されて
(というかその音に触発されて総動員せざるを得なくなって)、
彼の指を通して叩かれて震えるピアノ線の悲しい位にきれいな振動が
空気になって伝わってきて、
そしてなぜかそれに涙しちゃうわけですヨ。

ゲイリー・ピーコックのベースラインも美しかった・・・・。
美しいウッドベースって不勉強であんまり体験したこと無かったんだけど、
ありゃぁ美しかった。
スウィングベースなリズムの時にも全然スウィングせずただただ美しかった。

全然予備知識的な音を聴いてなかったのに、すごかったです。
これは、やっぱり彼らが超一流だからなんだよね。

あの、多分、3人としては特にベストアクトって訳ではなかったんだろうと思う。

キース・ジャレットは最初の方しきりにライトの眩しさにヘキエキしていたみたいだし、
途中でココロないオーディエンスが携帯鳴らしちゃうし(コレはホンマあかんで!!)、
ジャック・ディジョネットのハイハットの心棒が曲がってるかなんかの不具合でハイハット満足に叩けてなかったし。

それでも有り余る十分な表現物が空気となってフェスティバルホールに充満してました。

あのひと、ホント音きれいだわ。

最近思うんだけど、ピアノってホントにタッチで音色全然違う。今更言うことでもないが。
もちろん楽器の差って有るんだろう、同じスタインウェイでも製作工房の違いとかもちろんランクによっても違うらしいし。よくは知らないけど。

でも、同じスタインウェイD274を弾いても例えばキースと僕の好きなミッシェル・ペトルチアーニでは全然違う。全く違う。

好みとしてはミッシェル・ペトルチアーニの方が好きなんだけど、
キース・ジャレットのあの空気感は、好きとか嫌いとかそういう類で片付けてしまうには余にももったいないものだった。

超一流だ。
好き、嫌い、の範疇よりももっとグラウンドなレベルでの、絶対的といってもいいような
存在をアピールする美しい音。

正直、好みではないので、多分彼のCDは買わないだろう。
でも、演奏は素晴らしかったです。
ストライクゾーンどんぴしゃりでない演奏家に涙するなんてことはめったにないもん。
超一流だからだ。

参りました、です。
超一流に出会うといつも思うことだけど。

ゲイリー・ピーコックもホント美しかったよな。

ジャック・ディジョネット、ドラムセットに問題ない状態で(これあたりまえのことなんだけど・・)
もちょっとちゃんとしたキースジャレットとの演奏聴き直したいな。

っつうことは、やっぱトリオのCD買わなきゃだめじゃん。

店主@手染メ屋
https://www.tezomeya.com/

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