合掌・・・

死んじゃった・・。
マイケルが死んじゃった・・・・。

金曜日の朝、いつも聞いてるαステーションのお気に入りのＤＪさんが
わざとと思えるくらい坦々と
「昨日、ロス･アンジェルス在住のマイケルジャクソンさんが心不全のため
病院に運ばれましたが、死去が確認されました」
なんて言い出して、

ご飯を食べてた動作が数秒凍った。

え、なんで？
だって来月ロンドンでライブじゃん？

得体の知れない寂寞感がずずずぅっと押し寄せてきた。

「お気に入りミュージシャンってだれ？」
と問われてボクが答える名前には
マイケルは出てこない。
ブラックミュージックは大好きだけど、
マイケルが一番好きなジャンルの人、というわけではない。

でもね、この人は、特別だ。
僕が偉そうにいうまでもないことだけど。

友人のヒメノさんも言ってたけど
この人がいなかったら黒人の大統領は出なかったろうし
高校生ダンス甲子園なんかも絶対できなかったよ。

僕らが高校のとき、あのスリラーが出てものすごいことに
なってたとき、ほんとにびっくりだったもん。

だって、
ラジオアンドレコーズもキャッシュボックスもビルボードも
どのチャートでもR＆B部門じゃなくてちゃんとpops部門で
総ナメだよ。

高校のとき、だいぶイヤな洋楽好きで
「ロックは７０年代で死んだんだよ」
なんてなんにもわかりもせずのたまってたボクは
ヒットチャートを追いかけるなんて
ハヅカシイことだから絶対しない、とか思ってたんだけど
マイケルのＰＶだけは必ずチェックしてた。
もちろんスリラーもオフザウォールも擦り切れるほど聴いた。
で、擦り切れたよ（笑）。

初めてあの１５分のスリラーＰＶフルロングバージョンを
ポッパーズＭＴＶで見れた時の満腹感を今でも覚えてます。

背伸びして通ってた渋谷のディスコ（確かBig　Appleっていったかな）
のブラコンデーでマイケルが流れたときに恥ずかしくないよう
ムーンウォークを毎日コソコソと練習してた。

で、そんなのは多分、みんなしてたんだよ。

・・・そのマイケルが死んじゃった。

時代の寵児とか早熟のヒーローとか一過性のムーヴメント的に
言われることもあるけど、
絶対そんなことないよ。この人は。

マイノリティの地位向上に対する貢献度は
キング牧師にも劣らないと思います。
公民の教科書に載せようよ、マイケルを。

訃報を聞いた金曜は、朝からずっとＢＧＭはマイケルにした。
いつもは耳慣れたマイケルの音が、この日はとってもずしずしと
入ってくる。普段は聞き飛ばす歌詞なんかもイチイチ耳に留まる。

ＨＥＡＬ　ＴＨＥ　ＷＯＲＬＤ　が流れて
サビの部分になったとき、ヤヴァイことに泣いてしまった。
染めしながら涙が止まらなくなっちゃった。

There are people dying.
If you care enough,
make a better place for you and for me.

you and for me…..

クサい歌だよね。鳥肌たつよ、正直。
でも、彼はほんとに世界を癒したかったんだろと思うし
ホントにそれが出来る力と立場を手に入れて、それをしたんだろうと思う。

なんて思いながら聴いてたらどんどん深みに入ってしまいました・・・。

で、その日の夜は元々工房でちょっとした宴会の予定があったんだけど、
急遽「マイケルを偲ぶ会」に変更して、遊びに来てくれた人たちと一緒に
ライブを見た。

そう、例のあれ。

前もどっかで書いたかもだけど、この映像はヒメノさんの言葉を借りるなら
「人類が到達しうるべき一つの頂点の姿」としてのマイケルを
あますところなく伝えていると思います。

“エンターテイメントかくあるべし！”

という芸術作品。

見ながらまたなきそうになったりして。

神の領域まできちゃってからはホント不遇な生き様だったみたいだけど、
彼は幸せに死ねたんだろうか。

生き神は不幸せな役回りなんだろうな。きっと。

５０年走り続けてくれてお疲れ様でした。マイケルさん。
ありがとうございました。

ホントはこれドッキリで

「フーッ！ I just come back! OK?」

なんてムーンウォークしながら舞台の裾から出てきてくれないかな、
なんて。

思ってる人たくさんいるんだろうな・・。

合掌

店主＠手染メ屋
https://www.tezomeya.com/