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tezomeya日記

夏山登山

ちょっと早めに夏休みを戴いて、
今年も夏山を登りに行った。

白山。

石川と福井と岐阜の3県にまたがる成層火山で、
富士山、立山と並ぶ日本3霊山の一つだ。

独立山ではあるが、何度も噴火を繰り返していたのもあって
5つも頂があり、登山道も沢山ある。

今回は、一番メジャーな石川県の別当出合がスタート地点になる
登攀高度差1450mの一泊二日のルート。
途中山小屋で1泊した。

去年の富士山よりも距離は長いけど、高山病になる心配がないのと、
景色の良さが全然違っていて、トラブルも全くなく、
とっても順調で楽しい登山だった。

これは、泊まった山小屋の近くからとった朝焼け越しに見える
遠くの山。たぶん御嶽山。

同行したGARAGEの中西一家のキンちゃんとウチの子二人の
山頂ピース画像。

山に登るって、すばらしい。登るといっつも思う。
なんで登るのか、今回本当に良くわかった。

景色なんだよ。

標高2000m超えないと見ることのできない絵柄があるんだよ。
ここに。

いや、偉そうに言いながらいっつもは1000mちょっとくらいの
山しか登らないんだけど。

富士山の山小屋からのご来光もそうだったけど、
そこにいないと観られない風景。
とっても単純だけど、それを観に来るんだよ。
少なくともボクはそうだ。

今回の白山は、1300年以上前から修験道の聖地だったらしい。
昔の修行者が、霊験を得に登ってたんだって。

苦しい思いして、死にそうな目にあって、何日もかけて
歩きとおして、頂上に近づくにつれて刻々と変わる風景。
時に見下ろせる下界のなんてちっぽけな有様。
そして、登りついたところが、人知を超えた緑と岩と風の世界。

そりゃ、「ここは、何かいらっしゃる・・・」
って思うよ。ここにきたら誰でも。

これは、頂上から険しいコースを下って(多分100mくらい)、
火口湖から見上げた頂上の御前峰(2703m)

携帯の画像なんでだいぶひどいんだけど、
この場にいると、あのいただきから龍がもし飛んで降りて
きたとしても、全然不思議じゃない空気感だった。

子供たちもちょっと興奮気味に神妙になって少し怖がりながら
歩いてた。

尾根の向こうからアシタカがヤックルに乗ってやってきても、
空にはダイオウヤンマが飛んでいても、
火口湖の水面をオロチが泳いでいても、

おかしくない風景でした。

今でもそう思うんだから、昔の人は本当に信じてたんだと思うよ。
この風景の中に様々な生き神さまたちが潜んでいるって。

だって、今でも
「絶対にいないって、言い切れるか!?」
って言われると、自信ないもの。あの場所にいると。

そんなものを観に行くために登るんだ。山を。

白山登ってそう思った。

高校2年の冬に父と一緒にみた八ヶ岳の朝日は
今でも忘れられない。

太陽が昇る前に、頂の雪斜面が一様にピンクに染まる。
そのピンクの色で、まだ日の当たらない僕らのあたり
までほんのり上気した色になる。

そして、その山間から太陽がでぇーんと登ってくる。

27年経った今も、その画像はそのまんま当時の
コントラストと彩を保ったまま
ボクの大脳の海馬にあるフィルムに焼きついたままだ。

そんな体験、あんまりないよね。
でも、こういうところに来ると、そういうことが起こるんだ。

だから、山に登るんだ。

これは、万年雪と火口湖が一緒になってる不思議な池。

全然雪(というかもう氷)がとけないんだよね。
子供たちが不思議そうに触ってる。

やつらの頭にもなんか残ってるのかな。
残ってたらいいな。

白山、ホントよかった。
すばらしい緑と花と雲と岩肌と風をありがとうでした。

今度は初雪が降る頃に来たいな。
紅葉がすごい(きれいじゃなくて、すごい)らしい。
軽アイゼン持って、また来たいな。

店主@手染メ屋
https://www.tezomeya.com/

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